第3回-(1) 福建伝統戯曲の伝播と台湾歌仔戯の形成(2012/10/20)


道上知弘(慶應義塾大学文学部非常勤講師)

文化や言語が複雑な形で入り乱れて存在する中国福建(閩)地方には、梨園戯、高甲戯、四平戯をはじめ、その伝統戯曲もさまざまなものが伝えられており、福建の人々の移民にともない、それら戯曲も他の土地に伝播し、それぞれが独自の発展を遂げている。

対岸の台湾にも中国大陸から多数の地方戯曲が伝わっているが、今回の報告では台湾で最も代表的な戯曲である「歌仔戯」に注目して、その形成の過程の考察を中心にしながら、地方戯曲史における福建地方と台湾との関係を概観する。また現在における閩台両地域の伝統戯曲の取り組みや相互の交流状況についてもみてゆき、それらの課題や問題点の所在を考えてゆきたい。