第6回-(2) 広東省汕尾における「普渡」―福建、台湾そして東方地中海での比較のために


 報告者は2006年以降、広東省東部汕尾で元水上居民に関する調査を行っている。汕尾は広東省内にはあるが、閩南語系の言語を母語とする住民が多数を占める。そのため、汕尾は「東方地中海基層文化研究」で比較の対象として設定されている泉州、あるいは台湾の文化との一定の類似性が想定される地域である。

 本報告では旧暦七月に行われる汕尾の各廟での普渡儀礼と、年に一度行われるという漁民の婦女たちの海岸での「普渡」を紹介し、彼らの死者や「鬼」などに対する観念について考察してみたい。