第6回-(1) 在日コリアン寺院―グローカリズムの視点から―


発表要旨

 在日コリアン社会における民俗宗教、あるいは仏教を対象とした調査、論考としては、『生駒の神々』[宗教社会学の会編 1985] の「朝鮮寺」がある。その後、同一地域を研究対象とした追跡調査が実施されたのは2009年の夏であるが、それに参加した報告者は、関西の大都市圏近郊の生駒山地の「山の寺」と大阪市内の「街の寺」の間に見られるネットワーク化について指摘し、その過程で「朝鮮寺」を「在日コリアン寺院」と改称した[宮下 2012]。この在日コリアン寺院の宗教者たちの多くはニューカマーであり、日本と韓国本土および、済州島を往復するライフスタイルを体現していることから、彼らを取り巻く状況はトランスナショナルな動向の中にあるといえる。つまり、生駒あるいは大阪市内に展開されるローカルな民俗宗教や仏教がグローバルな世界状況と接続しているということになる。このようなローカル、グローバル、トランスナショナルの視点は在日コリアン社会およびそれを包摂する日本社会の宗教を考える際にどのような意味を持つのか、本報告で明らかにしたい。