福建泉州地域の寺廟・宗祠調査報告 ―王爺および観音信仰を中心に―


第4日(12月30日)

最初に、2日目と同じく晋江市龍湖鎮衙口村へと行き、①施氏旧房宗祠(写真29) → ②通泉殿(写真30) →③清華宮(主神、北極玄天上帝、配祀、東岳仁聖大帝、大場公媽等。大場公媽は現地で塩を税として取り立てられるのを見逃してくれたという地域神、写真31) ④忠義殿(康熙29(1690)年創建、写真32) → ⑤粘氏大宗祠(写真33) ⑥丁王府館(写真34) ⑦孝子家(写真35) ⑧清霊殿(写真36) ⑨廬領庵を見て回った。①施氏旧房宗祠(1998年再建)では、毎年旧暦正月7日に玉皇大帝を迎えて村内を巡視してもらう活動について説明していただいたとともに、この宗祠の落成時には、村内の定光庵から南堡伽藍公(写真37)を迎えて遶境を行ったと伺った。⑤粘氏大宗祠は、かつて金王朝を起こした女真族の完顔宗翰(粘罕)を祖とする粘姓の宗祠。明朝期の1508年創建、1994年に再建、1999年には晋江市人民政府の第三批文物保護単位に認定されている。施姓が大部分を占める衙口村においては極めて珍しい存在であった。その他、この時に調査した廟のうち②通泉殿、④忠義殿、⑥丁王府館、⑧清霊殿はいずれも王爺廟であり、また第2日に調査した福霊殿と鎮南殿も王爺廟であったが、衙口村というそれほど大きくもない村にこれだけ多くの王爺廟が存在すること、および村の民家の門にこれらの廟から持ち帰ってきた符が貼られている光景(写真38)をしばしば目にしたことから、衙口村における王爺信仰の重要性が窺い知れるように思う。

29施氏旧房宗祠

29施氏旧房宗祠

30通泉殿

30通泉殿

31清華宮

31清華宮

32忠義殿

32忠義殿

33粘氏大宗祠

33粘氏大宗祠

34丁王府館

34丁王府館

35孝子家

35孝子家

36清霊殿

36清霊殿

37

37

38

38

第二に、晋江市龍湖鎮石廈村へと移動し、①施仔爺館(上辛厝施王府、写真39) → ②銭江施氏家廟(写真40)を調査した。①施仔爺館は、施仔爺という王爺を主神として祭祀する極めて小さな祠で、この神の聖誕日に集めた寄付金のリストが祠内に貼られていたが、寄付金を納めた者はほとんどが施姓の者であった。

第三に、晋江市龍湖鎮后宅村へと行き、秘中書丞(銭江)典公陵園(写真41)を県学した。

最後に、晋江市青陽鎮へと移動し、石鼓廟にて高甲劇(写真42)を[F1] 鑑賞した。

39施仔爺館

39施仔爺館

40銭江施氏家廟

40銭江施氏家廟

41秘中書丞典公陵園

41秘中書丞典公陵園

42高甲劇

42高甲劇

 

 

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これまでのコメント

  1. 朝敦 より:

    こんばんは。たまたま検索でヒットし、大変懐かしいものを拝見させていただきました。有難うございます。衙口村に二度もいらっしゃったわけですか。故郷です。自分は来日して17年、一番最近の衙口帰省は。。。三年以上前でした。その時は故居の新築は完成したばっかりで外垣の門はまだできておりませんでした。写真32番忠義殿の後ろに写っているのがそれです、門も完成でしたね。帰りたくなってきましたよ。。。また今度じっくりと拝読させていただきます。それでは、お休みなさい。

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